介護職の夜勤の仕事内容|タイムスケジュール・きつさ・向いている人

夜勤中に眠っている利用者の様子を懐中電灯で確かめる介護職員のイラスト
公開日 更新日 執筆 介護ワーカーズナビ編集部

夜勤のある施設に入ることが決まった、あるいは求人に夜勤ありと書かれていて迷っている介護職の方は多いはずです。夜の施設で何をするのか、何人で見るのか、仮眠は取れるのかといった点は、実際に入ってみるまで見えにくいものです。

実際には、夜勤の仕事は巡視と排泄介助、記録を軸に、急変時の判断を少ない人数で担うのが特徴で、施設の種類によって体制も負担も大きく変わります。

この記事では、夜勤の配置の考え方と2交代・3交代の違い、16時間夜勤のタイムスケジュール、主な業務、きついところと乗り切り方、夜勤のない職場までをまとめました。

これから初めて夜勤に入る方や、夜勤のある職場への転職を考えている介護職の方に向けた内容です。

この記事でわかること

  • 介護施設の夜勤は何人体制か、施設ごとの配置基準の違い
  • 2交代と3交代の違いと、16時間夜勤のタイムスケジュール
  • 巡視、排泄介助、記録、急変対応など夜勤の主な業務
  • 夜勤のきついところと、仮眠や体調管理の工夫
  • 夜勤のメリットと、夜勤がない・少ない職場の選び方

介護の夜勤とは

介護の夜勤は、入所している方が夜も安全に過ごせるよう、夕方から翌朝まで少人数で施設を見守る勤務です。特養や老健、グループホームなど24時間体制の施設にあり、デイサービスや訪問介護には基本的にありません。夜勤の人数には国の基準があり、日中よりずっと少ない職員で多くの利用者を受け持ちます。

夜勤は何人体制か

夜勤の人数は、施設の種類ごとに国の基準で最低ラインが決まっています。特養と老健は厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準(平成12年厚生省告示第29号)で、介護職員と看護職員を合わせた人数が定められています。ユニット型の特養は2ユニットごとに1人以上、グループホームはユニットごとに1人以上です。

施設の種類 夜勤の最低人数の基準 夜勤の特徴
特養(従来型) 入所者25人以下で1人以上、26〜60人で2人以上、61〜80人で3人以上、81〜100人で4人以上、その先は25人ごとに1人を加える 介護度の高い方が多く、排泄介助と体位変換が中心
特養(ユニット型) 2ユニットごとに1人以上 1ユニットはおおむね10人以下で、1人で20人前後を受け持つ計算になる
老健 看護職員と介護職員で2人以上。入所者40人以下で緊急時の連絡体制を整えていれば1人以上 看護職員と組む夜勤があり、医療的な相談がしやすい
グループホーム ユニットごとに1人以上 1ユニット最大9人を1人で担当し、朝食づくりも担う
介護付き有料老人ホーム 常に1人以上の介護職員を確保 ホームごとの差が大きく、求人票での確認が欠かせない

従来型の特養と老健では、ショートステイを併設していればその利用者も含めて数えます。見守り機器などを導入して一定の要件を満たす施設では、基準の人数を減らせる特例もあります。表の人数はあくまで最低ラインで、実際には基準より多く配置する施設もあります。労働組合である日本医療労働組合連合会(日本医労連)の2025年介護施設夜勤実態調査では、グループホームなど小規模な施設はすべて1人夜勤でした。施設ごとの働き方の違いは特養・老健・有料老人ホームの違い|施設の種類と働き方・給料を比較で比較しています。

2交代と3交代の違い

介護施設の夜勤は2交代が主流で、同調査では回答施設の91.1%が2交代でした。2交代は日勤と夜勤の2パターンで回す体制で、夜勤は16時間前後の長時間勤務です。2交代の施設の87.5%が16時間以上でした。

3交代は日勤、準夜勤、深夜勤の3パターンで、1回の勤務は8時間前後です。拘束が短い反面、夜勤に入る日数が増え、生活リズムが崩れやすくなります。

夜勤のタイムスケジュール(16時間夜勤の例)

2交代の夜勤は、夕食の介助から翌朝の朝食まで、利用者の生活の夜の部分をまるごと受け持ちます。ここではユニット型の施設で17時から翌9時まで働く場合を一例として紹介します。勤務時間や巡視の間隔、休憩の時間帯は施設の決まりによって異なります。

  • 17:00 出勤、日勤者から申し送り
  • 18:00 夕食の配膳、食事介助、服薬介助
  • 19:00 口腔ケア、着替え、排泄介助
  • 20:00〜21:00 就寝介助、消灯
  • 22:00〜5:00 定時の巡視、排泄介助、体位変換、記録、交代で休憩と仮眠
  • 6:00 起床介助、着替え、整容
  • 7:30 朝食の介助、服薬介助、口腔ケア
  • 8:30 日勤者へ申し送り、記録の仕上げ
  • 9:00 退勤

忙しさのピークは、就寝介助が重なる夕方から消灯までと、起床介助から朝食までの2回です。深夜帯は比較的落ち着くものの、眠れない方や体調の変化があればその都度対応します。

夜勤の主な業務

夜勤の業務は、見守りと介助、記録の3つに大きく分けられます。日中と違って入浴やレクリエーションはありませんが、少ない人数で全員の安全に目を配るため、一つひとつの判断の重みが増します。ここでは夜勤ならではの業務を中心に紹介します。

巡視と安否確認

巡視は夜勤の中心となる業務で、決められた間隔で居室を回り、眠れているか、いつもと違う様子がないかを確かめます。起こさないよう足音や明かりに気を配りつつ、いつもと違う様子がないかを観察します。

眠れずに起きている方には話を聞いたり、温かい飲み物を出したりして落ち着いてもらいます。ナースコールやセンサーマットへの対応も、巡視の合間に入ってきます。

排泄介助と体位変換

夜間の排泄介助は、トイレへの誘導やおむつ交換が中心です。夜中にトイレへ向かう方は転倒しやすいため、付き添いや声かけで事故を防ぎます。

自分で寝返りが打てない方には、床ずれを防ぐため体の向きを変える体位変換を行います。特養など介護度の高い方が多い施設では、この2つが夜勤の業務の大半を占めます。

記録と申し送り

巡視の結果や排泄の状況、睡眠の様子は介護記録に残します。夜間に何があったかを日勤者が把握できるよう、何時にどんな様子だったかを具体的に書きます。

朝の申し送りでは、体調の変化や気になった点を口頭でも伝えます。夜勤の記録は、翌日のケアや受診の判断材料にもなります。

急変時の対応

夜間に利用者の体調が急に悪くなったときは、状態を観察して看護職員やオンコール担当者に連絡し、指示を受けて対応します。施設によっては救急車の要請や家族への連絡まで夜勤者が担います。

急変時の連絡先や手順はマニュアルで決められているため、初めての夜勤の前に確認しておきましょう。特養での夜勤の実際は特養(特別養護老人ホーム)の仕事内容|1日の流れ・給料・きつい点、一人夜勤が基本のグループホームについてはグループホームの仕事内容|1日の流れ・きついところ・働くメリットで詳しく紹介しています。

夜勤のきついところと乗り切り方

夜勤のきつさは、長時間の拘束と生活リズムの乱れ、一人で判断する重圧の3つに集約されます。どれも夜勤という働き方に付きものですが、明けの日の眠り方や回数の調整、相談しやすい職場を選ぶことで、負担は軽くできます。

長時間勤務と休憩・仮眠

16時間前後の夜勤では、労働基準法第34条により、労働時間が8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩が必要です。日本医労連の同調査では、2交代の休憩と仮眠は就業規則上の平均で2時間10分でしたが、1時間だけの施設もありました。

仮眠室がない施設も27.2%あり、休憩室のソファで横になるだけという職場もあります。ナースコールが続けば休憩が後ろにずれる夜もあるため、仮眠の時間と場所が確保されているかは応募前に確かめたい点です。

生活リズムの乱れと夜勤の回数

夜勤が続くと生活リズムが崩れやすいという声は多く聞かれます。介護職の夜勤回数に上限を定めた法律はなく、同調査では2交代で夜勤に入った職員の46.5%が月4回を超えていました。グループホームでは68.2%にのぼります。

明けの日の休み方は人によって合う形が違うため、無理のない過ごし方を探しましょう。回数が負担になっているときは、早めに上司へ希望を伝えましょう。

一人で判断する重圧

少人数の夜勤では、転倒や急変が起きたときに最初に判断するのは自分です。夜勤そのものより、何かあったらどうしようという不安がつらいという声もあります。

不安を一人で抱え込まないためにも、迷ったら看護職員やオンコール担当者に連絡してよいと決まっている職場を選びましょう。疲れやストレスが積み重なっているときは、介護職のストレスの原因と対処法|燃え尽き症候群のサインと相談先も参考にしてください。

夜勤のメリット

夜勤の負担は小さくありませんが、収入面と時間の使い方では日勤にない利点があります。夜勤手当と深夜割増で月給が上がることに加え、2交代なら1回の拘束が長いぶん出勤日数が少なくて済むため、まとまった時間を確保しやすくなります。

夜勤手当と深夜割増で収入が増える

夜勤手当は法律上の義務ではなく、施設が独自に設ける手当です。日本医労連の2025年調査では、介護職員(正規職員)の夜勤手当は2交代で1回平均5,973円でした。これとは別に、労働基準法第37条第4項は、午後10時から午前5時までの労働に通常の賃金の25%以上の割増賃金を支払うよう定めています。

厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、月給・常勤の介護職員の平均給与額は夜勤のある特養で361,860円、夜勤のない通所介護で294,440円でした。手当の相場や払い方の違いは介護職の夜勤手当はいくら?相場・回数・2交代と3交代の違いで詳しく解説しています。

日中の時間を使いやすい

2交代の夜勤は1回の拘束が長いぶん、日勤だけの働き方より出勤の回数が減ります。明けの翌日が休みなら、明けの日と合わせて連休のように過ごせます。

ただし同調査では、調査月に明けの翌日を休日として保障していなかった施設が35.0%ありました。休日の数え方や年間休日の比べ方は介護職の年間休日は何日?施設別の平均と求人票の読み方を解説にまとめています。

夜勤が向いている人

夜勤に向いているのは、生活リズムの変化に体が順応しやすい方と、少人数でも落ち着いて判断できる方です。夜の静かな時間に利用者一人ひとりと向き合えることにやりがいを感じる方も、夜勤と相性がよいといえます。

反対に、睡眠が乱れると体調を崩しやすい方や、小さな子どもの世話など夜に家を空けにくい事情がある方は、無理をしない働き方を選ぶほうが長続きします。

夜勤がない・少ない職場

夜勤を避けたい、または回数を減らしたい場合は、職場の種類と雇用条件の2つから探す方法があります。デイサービスは日中のサービスなので夜勤がなく、訪問介護も基本的に日中の勤務です。

特養や老健などの入所施設でも、日勤のみの契約で働ける求人があります。夜勤手当がつかないぶん月給は下がるため、収入との兼ね合いで考えましょう。

求人票で夜勤の負担を見極めるときは、次の点を確認しておくと安心です。

  • 夜勤の人数体制と、1人あたりの受け持ち人数
  • 月の夜勤回数の目安と、回数の希望が通るか
  • 休憩・仮眠の時間と仮眠室の有無
  • 明けの翌日が休みになるか

施設ごとの仕事内容の違いを全体から見直したい方は、介護職の仕事内容とは|1日の流れ・施設別の違い・必要な資格を解説を参考にしてください。

まとめ

介護の夜勤は、夕方から翌朝まで少人数で施設を見守る勤務で、巡視、排泄介助と体位変換、記録、急変時の連絡が主な業務です。2交代の16時間夜勤が主流で、人数の基準は施設の種類によって異なり、グループホームのように1人で受け持つ職場もあります。長時間勤務や生活リズムの乱れはきついところですが、夜勤手当と深夜割増で収入が増え、まとまった休みも取りやすくなります。

夜勤のある職場を選ぶときは、人数体制と仮眠の取り方、月の回数を見学や面接で確かめてみてください。

よくある質問

Q. 介護の夜勤は何人体制ですか?

A. 施設の種類によって基準が違います。従来型の特養は入所者26〜60人で2人以上、老健は原則2人以上、ユニット型の特養は2ユニットごとに1人以上、グループホームはユニットごとに1人以上が最低ラインです。日本医労連の2025年調査では、グループホームなど小規模な施設はすべて1人夜勤でした。実際の人数は施設ごとに異なるため、求人票や面接で確かめてください。

Q. 夜勤中に仮眠は取れますか?

A. 休憩は法律で決まっており、その時間を仮眠に充てる施設が一般的です。労働基準法では労働時間が8時間を超える場合に1時間以上の休憩が必要で、日本医労連の2025年調査では2交代の休憩と仮眠は平均2時間10分でした。ただし1時間だけの施設や、仮眠室がない施設も27.2%あります。応募前に時間と場所を確認しておくと安心です。

Q. 夜勤明けの日は休み扱いになりますか?

A. 原則として休日には数えません。2交代の夜勤は日付をまたいでも始業日の1回の勤務として扱われます。一方で労働基準法の休日は、午前0時から24時間の暦日単位で与えるものとされているため、朝まで勤務した明けの日は休日になりません。明けの翌日を休みにするかは施設のシフト次第で、日本医労連の2025年調査では調査月に明けの翌日を休日として保障していなかった施設が35.0%ありました。

参考資料・出典

※統計・制度の情報は2026年10月時点のものです。

この記事を書いた人

編集部

介護ワーカーズナビ編集部

介護職向け情報メディアの編集チーム

厚生労働省などの公的統計や制度資料をもとに記事を作成しています。数値には出典と年度を記載し、制度が変わったときに内容を見直しています。

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