介護職員初任者研修って?資格を取得するのに必要なことやメリット・デメリットも解説

「介護職員初任者研修ってなに?」「初任者という名前だけど、本当に自分でも取れるの?」——介護業界への就職や転職を考え始めた段階で、こうした疑問にぶつかる方は少なくありません。

名前だけを見ると難しそうに感じますが、実際には介護業界の入門資格として位置づけられており、取得のハードルはそれほど高くありません。とはいえ、費用や期間、取得後に何が変わるのかが分からないまま迷ってしまう人も多いはずです。

本記事では、介護職員初任者研修を取得するメリット・デメリットと、資格を活かせる職場について解説します。

これから介護業界を目指す方、初任者研修を取るかどうか迷っている方はぜひ読み進めてください。

介護職員初任者研修とは?


介護職員初任者研修は、介護に必要な基礎知識とスキルを身につけていることを証明する資格です。無資格の状態では、有資格者の監督なしに身体介助を行うことはできません。この資格を取得すると、その制限がなくなり、一人で身体介助を担当できるようになります。介護職員としてのキャリアを築く第一歩といえる資格です。

他の資格との違い


介護職員初任者研修は、名称や研修内容が似た資格と混同されやすい資格です。特によく比較されるのがホームヘルパー2級と介護福祉実務者研修です。それぞれどのような違いがあるのか、順に確認していきましょう。

ホームヘルパー2級との違い


ホームヘルパー2級は、2013年度の制度変更によって介護職員初任者研修へと名称が変わった資格です。

基本的な内容は引き継がれていますが、30時間以上あった施設研修の廃止、筆記試験の追加、認知症ケア科目の新設、介護実技演習の増加という4つの変更が加えられました。

ホームヘルパー2級という資格自体はすでに廃止されており、新たに取得することはできません。

ただし名称とこの4点以外はほとんど内容が変わっていないため、資格そのものは今も有効なものとして扱われています。

介護福祉実務者研修との違い


介護福祉実務者研修は、初任者研修やホームヘルパー2級よりも専門性の高い資格です。取得することで、上位資格にあたる介護福祉士試験の受験資格を満たせるようになります。

介護職員初任者研修の取得だけではこの受験資格を満たせないため、介護福祉士を目指す方は実務者研修の取得も視野に入れましょう。

介護職員初任者研修取得の方法と必要なもの


介護職員初任者研修は、民間のスクールに通うことで取得できます。

ハローワークの職業訓練を利用する方法もありますが、募集枠が限られていたり、修了までに時間がかかったりするケースがあります。

自分のペースで取得を進めたい方には、スクールの利用が向いています。

受講費用


受講費用はスクールによって差があり、約3万円から15万円ほどかかります。

同じ資格でも講座によって値段が変わるため、入校前によく比較しておきましょう。

カリキュラム自体はどの講座も厚生労働省の方針に沿っているため大きな違いはありませんが、欠席時の振替講座の取りやすさや追試験の実施といったフォロー体制の差が、価格差に反映されています。

取得までの期間


取得までの期間は1か月から4か月ほどが目安です。スクールのコース設定によって差が出るため、仕事や生活のスタイルに合わせて無理なく通えるスクールとコースを選びましょう。

試験の難易度


試験の難易度はそれほど高くありません。カリキュラムを終えた後に筆記試験がありますが、内容は基礎的なレベルにとどまります。

介護業界の入門資格という位置づけのため、講義をきちんと受けていれば不合格になる可能性は低いでしょう。

介護職員初任者研修資格のメリット


介護職員初任者研修を取得すると、就職先の選択肢が広がるだけでなく、給与やキャリアの面でも変化が出てきます。

取得を迷っている方は、具体的にどんなメリットがあるのか確認しておきましょう。

就職の選択肢が増える


資格を取得していると、待遇のよい就職先を選びやすくなります。

福利厚生が充実した施設では資格保有者に限定して募集をかけているケースが多く、資格が必須となる訪問介護員としても働けるようになります。

選べる求人の幅が広がる分、条件に合った職場を見つけやすくなるでしょう。

給与がアップする


介護事業所によっては、資格を取得していると資格手当が支給され、給与アップにつながります。

厚生労働省のデータでは、資格取得者と無資格者の間で平均給与に約3万円の差が出ています。

出典:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2023年3月13日)

キャリアアップの足掛かりになる


介護職員初任者研修は、上位資格を取得する際の足がかりにもなります。

学んだ内容が予備知識として役立つのはもちろん、上位資格にあたる介護福祉実務者研修を受講する際、130時間分のカリキュラムが免除される点は大きなメリットです。

結果として、介護福祉士への道も開きやすくなります。

介護職員初任者研修資格のデメリット


デメリットとして挙げられるのが、最大で15万円ほどかかる受講費用です。

数万円で受講できるコースもありますが、フォロー体制の手薄さにつながることもあるため、費用を惜しみすぎない選び方をおすすめします。

加えて、資格取得には130時間分のカリキュラムを修了する必要があります。

どれだけ成績がよくても、これより短い期間での取得は認められません。

介護職員初任者研修資格を活かすことのできる職場


介護職員初任者研修資格は、介護業界のさまざまな職場で活かせます。

施設によって働き方や求められる役割が変わってくるため、職場選びの参考にしてください。

介護付き有料老人ホーム


介護付き有料老人ホームは、民間が運営する介護施設です。

要介護度の上限が定められていないため、入居者の要介護度は施設ごとに幅があります。

要介護度が低めの施設ではイベントが盛んに行われる傾向があり、介護職員はその企画や運営のサポートを担うことが多くなります。

グループホーム


グループホームは、認知症のある方を受け入れる施設です。

定員27人以下の小規模な体制でケアにあたり、認知症の進行を遅らせることを目的とした介護を行います。

職員には、認知症への理解と丁寧なコミュニケーション能力が求められます。

デイサービス


デイサービスは、半日から1日の日帰りで利用する通所介護サービスです。

要介護度が低めの利用者が多い傾向にあり、イベントも頻繁に行われます。日帰り営業がほとんどのため、夜勤のある施設は少なくなっています。

特別養護老人ホーム


要介護度3以上の方が入居する施設のため、身体介助が業務の中心となります。

健康管理やリハビリの専門スタッフと連携しながら、身体機能の維持や向上をサポートします。

まとめ


介護職員初任者研修は、介護業界の入門資格として位置づけられています。

取得すれば身体介助を一人で行えるようになり、介護職員として独り立ちする土台ができます。

取得には3万円から15万円ほどのスクール費用と130時間のカリキュラムが必要で、期間も1か月から4か月かかるため、決して手軽な資格とはいえません。

それでも、就職先の選択肢が広がり、上位資格へのキャリアアップにもつながることを考えると、これから介護業界で働くなら取得しておいて損はない資格です。

まずは近隣のスクールの費用とコース内容を比較するところから始めてみましょう。