介護職は休みが少ない。そんなイメージを持っている方は多いはずです。実際のところ、年間休日は何日なのか。全産業の平均と比べてどうなのか。施設形態ごとの違いや、求人票で年間休日を見るときの注意点をまとめました。
介護職の年間休日の平均
介護職の年間休日は全産業と比べてどの程度なのか、データで確認します。
全産業平均との比較
厚生労働省の就労条件総合調査によると、全産業の年間休日数の平均は約115日(2024年調査)。一方、医療・福祉分野の平均は約111日です。
介護職に限ると、施設形態や法人の規模で幅がありますが、107〜112日がボリュームゾーンです。全産業平均と比べると3〜8日少ない傾向にあります。
「思ったほど差がない」と感じるかもしれません。しかし年間3日少ないだけでも、10年で30日分の差になります。
施設形態別の年間休日
施設形態によって年間休日数には差があります。
| 施設形態 | 年間休日の目安 |
|---|---|
| 特別養護老人ホーム | 107〜112日 |
| 介護老人保健施設 | 108〜113日 |
| 有料老人ホーム(大手) | 110〜120日 |
| グループホーム | 105〜110日 |
| デイサービス | 110〜115日 |
| 訪問介護 | 110〜120日 |
入所型の施設は365日稼働のためシフトで回す必要があり、年間休日が少なくなりがちです。デイサービスは日曜定休や祝日休みの事業所が多く、比較的休日が多い傾向にあります。
大手法人ほど年間休日が多い傾向にあります。これは人員に余裕があるためシフトの調整がしやすいことが理由です。
年間休日の数字の意味
「年間休日110日」と言われてもピンとこない方のために、具体的にどんな勤務パターンになるか整理します。
年間休日105日・110日・120日の違い
年間休日105日
週休2日制(年間52週×2日=104日)にほぼ等しい数字です。祝日や年末年始の休みがない計算。毎週2日の休みがあるだけで、まとまった連休は取りにくい。
年間休日110日
週休2日+祝日の一部が休み。月に1〜2回、3連休が取れる程度。介護業界では平均的な水準です。
年間休日120日
週休2日+祝日+年末年始。いわゆる「カレンダー通りの休み」に近い日数。デスクワークの会社員と同等で、介護業界では好条件に分類されます。
年間休日に含まれるもの・含まれないもの
年間休日に含まれるのは、公休(所定の休日)だけです。有給休暇、慶弔休暇、産前産後休暇、育児休暇は含まれません。
「年間休日120日+有給休暇」なら実質の休日はもっと多くなります。逆に「年間休日107日で有給が取りにくい」場合は実質の休日がさらに少ない。
求人票を見るときは、年間休日の数字だけでなく「有給取得率」もセットで確認してください。有給休暇の仕組みは[内部リンク: 介護職の有給休暇]で解説しています。
介護職の休日が少なく感じる理由
数字だけ見ると全産業平均と大差ないのに「休みが少ない」と感じるのには理由があります。
シフト制と連休の取りにくさ
介護職はシフト制のため、土日祝日が休みとは限りません。世間が連休のときに出勤し、平日に休む。家族や友人との予定が合わず、「休んだ気がしない」と感じることがあります。
また、早番・日勤・遅番・夜勤のローテーションでは、生活リズムが不規則になりやすい。夜勤明けの日は公休には含まれませんが、体力の回復に充てるため実質的に自由な時間は限られます。
2連休が取れても「夜勤明け+翌日公休」のパターンでは、丸1日休める日は実質1日。この感覚のずれが「休みが少ない」という実感につながっています。
人手不足による休日出勤
慢性的な人手不足の施設では、急な欠勤の穴埋めで休日に呼び出されることがあります。就業規則上は代休が発生しますが、代休も取りにくい。
人手不足が深刻な施設ほど、年間休日の数字と実際の休日にギャップが出ます。面接や見学の際に「休日出勤はどのくらいあるか」を率直に聞いてみてください。
求人票の年間休日の読み方
転職活動で求人票を見るとき、年間休日の数字をどう読めばよいか。
「年間休日120日以上」の求人は存在するか
結論から言うと、あります。大手法人の有料老人ホーム、デイサービス、訪問介護事業所に多い。ただし求人全体の中で占める割合は高くありません。
年間休日120日以上の施設は、人員配置に余裕がある、もしくはシフト制でなく日曜固定休のサービス形態である場合が多い。デイサービスの日曜・祝日休み+年末年始で120日前後になるパターンです。
入所型の施設で年間休日120日以上は珍しいですが、大手法人を中心に増えています。
確認すべきポイント
求人票の年間休日の数字だけで判断しないでください。以下の点を面接や見学で確認することを勧めます。
有給休暇の取得率はどのくらいか。休日出勤は月に何回程度あるか。希望休は月何日出せるか。夜勤明けの翌日は公休になるシフトか。
これらを確認することで、年間休日の「数字」と「実態」のギャップを見極められます。
休日を増やすための選択肢
今の施設の年間休日に不満がある場合、取れる手段は3つあります。
1つ目は、有給休暇を確実に使うこと。年5日の有給取得は法律で義務づけられています。残りの有給も計画的に申請してください。
2つ目は、施設形態を変えること。入所型から通所型に移ると年間休日が増える傾向にあります。デイサービスや訪問介護は日曜休みの事業所が多い。
3つ目は、年間休日の多い施設に転職すること。大手法人や年間休日120日以上を打ち出している施設を選ぶ。転職時に年間休日を最優先の条件として伝えれば、転職エージェントが該当する求人を絞り込んでくれます。
まとめ
介護職の年間休日の平均は107〜112日。全産業平均より少し少ないものの、施設形態や法人規模によって幅があります。年間休日120日以上の求人も存在します。
数字だけでなく、有給取得率や休日出勤の頻度もあわせて確認すると、休日の実態が見えてきます。
