第29回ケアマネ試験を終え、11月24日の合格発表を待ちながら、合格したら次に何をするのか気になっている方も多いでしょう。実際には、合格しただけではケアマネとして働けず、実務研修、都道府県への登録、介護支援専門員証の交付と手続きが続きます。都道府県によっては合格発表の直後に研修の申込が始まり、数日で締め切られます。この記事では、合格通知から実務研修、登録、証の交付、働き始めるまでを、順番と期限、費用の例をそろえて整理しました。第29回試験を受けた介護職の方に向けた内容です。
この記事でわかること
- 合格からケアマネとして働くまでの手続きの順番と期限
- 実務研修の時間数・日程・受講料(東京都・香川県の例)
- 登録と専門員証の交付手数料(群馬県・岐阜県の例)
- 更新制の廃止の現状と、いつから働けるか
合格からケアマネとして働くまでの流れ
ケアマネ試験の正式名称は介護支援専門員実務研修受講試験で、名前のとおり実務研修を受ける資格を得るための試験です。合格後は、実務研修の修了、都道府県知事の登録(介護保険法第69条の2)、介護支援専門員証の交付(同法第69条の7)の3段階を経て、初めてケアマネとして働けます。
合格だけでは働けない理由
介護保険法第7条第5項は、介護支援専門員を介護支援専門員証の交付を受けた者と定めています。登録は資格登録簿に名前が載る手続き、証の交付は業務に就くための手続きで、申請は別々です。登録だけでは業務に就けません。
手続きの順番と期限の一覧
手続きの全体像を表にまとめました。費用は確認できた都道府県の例で、金額や日程は都道府県ごとに異なります。
| 手続き | 時期・期限 | 費用の例 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 合格発表・合格通知 | 2026年11月24日 | なし | 各都道府県の試験案内 |
| 実務研修の申込 | 合格発表の直後(東京都は11月24日〜29日) | なし | 各都道府県の募集案内 |
| 実務研修の受講 | 87時間以上+実習。東京都の第1期は12月下旬〜2027年3月中旬 | 東京都44,600円(第28回第2期) | 実務研修実施要綱 |
| 登録の申請 | 研修修了日から3か月以内 | 岐阜県は登録のみなら無料 | 施行規則第113条の7 |
| 証の交付申請 | 登録と同時が一般的。登録から5年を過ぎると再研修が必要 | 群馬県3,500円、岐阜県2,100円 | 法第69条の7、施行規則第113条の17 |
合格発表と合格通知を確認する
第29回試験は2026年10月11日に行われ、合格発表は11月24日(火)の予定です。東京都では発表当日に受験者全員へ結果が郵送され、実務研修の募集もその日に始まります。発表の前後は郵便物と試験実施機関のホームページをこまめに確認しておきましょう。
第29回の合格発表は11月24日
東京都の場合、発表日に東京都福祉保健財団のホームページに合格者の受験番号が掲載され、同じ日に受験者全員へ結果が郵送されます。郵便の到着は発表日の翌日以降です。
実務研修の受講地は原則として受験地
厚生労働省の実務研修実施要綱では、実務研修の受講地は試験を受けた都道府県が原則です。転居や転勤で受験地での受講が難しい場合は、受験地の都道府県に研修受講地変更願を出し、やむを得ないと認められれば希望する都道府県で受講できます。研修の案内の出し方も県ごとに違い、香川県は合格者に個別に送る方式です。
第28回試験の結果
厚生労働省の集計では、第28回試験(2025年度)は受験者50,601人、合格者12,961人で、合格率は25.6%でした。受験資格の詳細はケアマネの受験資格と実務経験の数え方に、来年に向けた学習計画はケアマネ試験の勉強法と独学スケジュールにまとめています。
実務研修の申込・日程・費用
実務研修は、ケアプランの作成など、ケアマネの業務の基礎を学ぶ研修です。実施要綱で合計87時間以上と決められていますが、申込時期、日程、受講料は都道府県ごとに違います。ここでは東京都と香川県の公表値を例に、申込から修了までの流れを見ていきます。
申込は合格発表の直後から
東京都福祉保健財団によると、第29回試験の合格者を対象にした第29回第1期実務研修は、募集期間が2026年11月24日から29日まで、実施時期は12月下旬から2027年3月中旬です。期間外の申込は受け付けられません。
直前の第28回第2期の募集案内では、ケアマネとして業務に従事する予定の方を優先し、定員を超えた場合は抽選で受講者を決めるとしていました。働く予定があるかどうかは、発表前に上司と話しておきましょう。
87時間の講義・演習と実習
東京都の実務研修は、87時間の講義・演習と、居宅介護支援事業所での原則3日間の実習で構成されています。前期課程、実習、後期課程の順に受講し、講義は自宅でのオンデマンド視聴、グループ演習はオンラインと集合研修のどちらかのコースを選びます。
実施要綱では、全科目を受講した人が修了者とされ、各科目で修了評価も行われます。やむを得ない事情で一部を受けられない人には、適切な方法による代替措置が認められる定めです。
受講料は都道府県で異なる
2026年11月時点で確認できた受講料の例は次のとおりです。東京都の第29回第1期の受講料は、募集要項で確認してください。
| 都道府県 | 受講料 | 補足 |
|---|---|---|
| 東京都(第28回第2期) | 44,600円(非課税) | テキストは受講料の払込後に送付 |
| 香川県(令和8年度) | 54,000円 | 減免により27,000円、テキストを配布 |
東京都と香川県の実務研修は、教育訓練給付制度の特定一般教育訓練に指定されています。費用を自分で負担した場合、修了後にハローワークから一部が支給される制度です。東京都には介護支援専門員法定研修受講料補助事業もあり、令和8年度からは研修修了後に受講者本人が申請する仕組みになりました。
働きながら受けるときの準備
香川県の令和8年度は、12月から3月にかけてオンラインの演習日と3日間の集合研修があり、平日の日程も含まれます。東京都の実習は受け入れ事業所が示す日程で行うのが原則で、第1期は年末年始と年度末に重なります。日程表が出たら早めにシフトの希望を出し、受講料を勤務先が負担する制度があるかも確かめておきましょう。
研修修了後の登録と介護支援専門員証の交付
実務研修を修了したら、受講した都道府県に登録と介護支援専門員証の交付を申請します。登録には修了日から3か月という期限があり、証の交付には手数料と写真が必要です。修了したら書類をそろえて、早めに手続きに移りましょう。
登録は修了日から3か月以内
介護保険法施行規則第113条の7は、登録を受けようとする人は、実務研修を修了した日から3か月を経過する日までに登録申請書を出すよう定めています。群馬県は、3か月を過ぎると登録申請ができなくなると明記しています。申請書には個人番号の記載欄もあるので、番号を控えておいてください。
群馬県の案内によると、登録は介護保険法第69条の2第1項の欠格事由に当たるか本人が消除を申し出ない限り生涯続き、証の有効期間とは関係しません。
証の交付申請と手数料
証の交付手数料は都道府県ごとに決まっていて、群馬県は3,500円、岐阜県は2,100円です。岐阜県は登録と証の交付を1枚の申請書で申請でき、登録だけなら手数料はかかりません。
納め方も、群馬県は原則として県の証紙、東京都はゆうちょ銀行での振込と違います。申請書には写真を添えるため、規格を事前に確かめておきましょう。
交付までにかかる期間
東京都では申請締切が毎月15日と月末で、申請後に届く振込用紙で手数料を納めると証が郵送されます。令和8年度の交付スケジュールでは、締切からおよそ1か月後が交付日で、到着はその5日前後あとです。
東京都の第28回第2期は、6月上旬から9月中旬の研修に対し、証の最短交付日が11月15日付でした。研修修了から交付までは2か月程度が目安です。
登録から5年以内に証を受けないと再研修
登録だけ済ませて証の交付を受けないまま5年が過ぎると、証の交付を受ける前に再研修の修了が必要になります(介護保険法第69条の7第2項、施行規則第113条の17・第113条の20)。すぐに働く予定がなくても、登録だけは3か月以内に済ませておきましょう。
専門員証の有効期間と更新制の廃止
現在の介護支援専門員証の有効期間は、介護保険法第69条の7第3項により5年で、更新には第69条の8の更新研修が必要です。この更新制は2026年の法改正で廃止が決まりましたが、施行日を定める政令は2026年11月時点で公布されておらず、施行までは今の制度が続きます。
更新制の廃止は政令で定める日に施行
社会福祉法等の一部を改正する法律(令和8年法律第51号)が2026年6月25日に公布され、5年ごとの更新制の廃止が決まりました。施行日は公布から1年6か月以内の政令で定める日で、厚生労働省は2026年10月26日の社会保障審議会介護保険部会で、2027年12月1日とする案を示しました。
改正法の附則第16条では、施行の時点で有効期間の定めがある介護支援専門員証は、施行日以後は有効期間の定めがないものとして扱われます。これから証を受ける方の具体的な扱いは、今後の政令や通知で確認してください。制度改正の全体像は2026年の介護保険法改正と施行日で、資格廃止の噂との違いはケアマネ資格廃止の噂の真相で解説しています。
研修の受講は続く
更新制がなくなっても法定研修の受講は続きます。同じ部会資料では、実務研修は87時間以上のまま、就業後の研修を初任研修と定期研修に組み替える案が示されましたが、確定していません。
いつからケアマネとして働けるか
ケアマネとして業務に就けるのは、介護支援専門員証が交付されてからです。合格発表から数えると、研修と登録の期間を含めて数か月以上かかります。東京都の第28回第2期では、研修の開始から証の最短交付日まで5か月余りでした。
働けるのは証の交付後
研修修了や登録の段階で配属を決める職場もありますが、証の交付日より前にケアマネとして業務をすることはできません。群馬県は、有効な証を持たずに業務をしていた場合は登録消除の対象になるとしています。職場には証の交付予定日を伝えておきましょう。
登録地以外の都道府県で働くとき
登録した都道府県以外の事業所で働く場合は、登録の移転を申請できます(介護保険法第69条の3)。申請書は今の登録地の都道府県を通して出します。群馬県は他県から移転するとき、県内で働いているか働く予定がある、または県内に住所があることを条件にしていて、受け入れの条件は都道府県で異なります。
合格後の職場選び
ケアマネの働き先は、居宅介護支援事業所のほか、特養などの施設、グループホームの計画作成担当者などがあります。厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、月給・常勤の介護支援専門員の平均給与額は375,410円でした。グループホームでの働き方はグループホームのケアマネの仕事内容と給料、資格取得までの全体像はケアマネになるにはで紹介しています。
まとめ
ケアマネ試験に合格したあとは、実務研修、登録、証の交付と手続きが続き、証を受け取って初めて働けます。押さえておきたい点は次の4つです。
- 第29回の合格発表は2026年11月24日で、東京都は同日から29日までが実務研修の申込期間
- 実務研修は87時間以上と実習で、受講料は東京都44,600円(第28回第2期)、香川県54,000円など都道府県で異なる
- 登録は研修修了日から3か月以内に申請し、証の交付手数料は群馬県3,500円、岐阜県2,100円など
- 更新制の廃止は政令で定める日(案では2027年12月1日)に施行され、それまでは有効期間5年が続く
期限と金額は都道府県ごとに違うため、受験した県の案内を手元に置いて準備を進めてください。
よくある質問
Q. 合格してから働けるまでどのくらいかかりますか?
A. 実務研修の期間と、登録・証の交付の手続き期間で決まります。東京都の第1期は2026年12月下旬から2027年3月中旬が研修期間で、修了後の申請から証の交付まで1か月以上かかるため、合格発表から半年近くが目安です。
Q. 実務研修の受講料は自己負担ですか?
A. 東京都では受講決定通知に同封の払込用紙で受講者が支払いますが、勤務先が費用を負担する職場もあります。東京都と香川県の実務研修は特定一般教育訓練に指定され、自分で負担した場合は修了後に一部が支給される制度です。香川県の減免や東京都の補助事業のような支援もあります。
Q. 実務研修を一部休んでしまったらどうなりますか?
A. 実務研修は全科目の受講が修了の条件です。実施要綱では、やむを得ない事情で一部を受講できない人に対して適切な方法による代替措置をとれるとされていますが、扱いは都道府県の判断です。欠席が分かった時点で研修実施機関に連絡してください。
Q. 更新制が廃止されたら、これから受け取る証も期限がなくなりますか?
A. 改正法の附則では、施行の時点で有効期間の定めがある証は、施行日以後は有効期間の定めがないものとして扱われます。施行日は政令で定める日(案では2027年12月1日)で、2026年11月時点で政令は公布されていません。施行までは有効期間5年の制度が続きます。
参考資料・出典
- 介護保険法 第7条・第69条の2・第69条の3・第69条の7・第69条の8(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123
- 介護保険法施行規則 第113条の7・第113条の17・第113条の20(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100036
- 社会福祉法等の一部を改正する法律案 本文(衆議院、第221回国会閣法第45号、2026年。附則第16条) https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g22109045.htm
- 介護保険最新情報Vol.1143「介護支援専門員資質向上事業の実施について」の一部改正等について(介護支援専門員実務研修実施要綱を含む)(厚生労働省、2023年) https://www.mhlw.go.jp/content/001088123.pdf
- 介護支援専門員法定研修の見直しの検討状況について(社会保障審議会介護保険部会 第137回 資料3、厚生労働省、2026年10月26日) https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001762527.pdf
- 第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について(厚生労働省、2025年度) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187425_00013.html
- 令和8年度(第29回)東京都介護支援専門員実務研修受講試験の実施について(東京都福祉局、2026年) https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kourei/shikaku/r8shikenjisshi
- 実務研修(東京都福祉保健財団ケアマネジャー専用サイト、2026年) https://www.keamane.tokyo.jp/skensyu/k_jitsumu/
- 【募集案内】第28回第2期 実務研修(東京都福祉保健財団、2026年) https://www.keamane.tokyo.jp/kensyu/boshu_28-2_jitsumu/
- 教育訓練給付制度(東京都福祉保健財団ケアマネジャー専用サイト) https://www.keamane.tokyo.jp/kensyu/tokutei/
- 【更新以外】申請から登録・専門員証交付の流れ(東京都福祉保健財団、令和8年度) https://www.keamane.tokyo.jp/touroku/koushinigai_flow/
- 介護支援専門員法定研修受講料補助事業(東京都福祉局、2026年10月13日更新) https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kourei/hoken/kaigo_lib/care/kensyuuzyukouryouhozyo
- 令和8年度香川県介護支援専門員実務研修・再研修の減免等について(香川県、2026年) https://www.pref.kagawa.lg.jp/documents/239/genmenjs.pdf
- ケアマネジャー支援情報(香川県、2026年9月18日公開) https://www.pref.kagawa.lg.jp/choju/choju/caremane/kfvn.html
- 介護支援専門員の資格管理に係る申請・届出(群馬県) https://www.pref.gunma.jp/page/2229.html
- 介護支援専門員の登録及び介護支援専門員証の交付に関する手続き(岐阜県、2026年10月1日更新) https://www.pref.gifu.lg.jp/page/5928.html
- 令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(厚生労働省、2025年) https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/index.html














