2026年の介護保険法改正をわかりやすく|施行日と介護職への影響

2026年の介護保険法改正の通知を読む介護職員
公開日 執筆 介護ワーカーズナビ編集部

2026年6月に介護保険法などの改正が成立したと聞き、自分の資格や職場への影響が気になっている介護職の方は多いはずです。

ところが報道では法律で決まったことと検討中のことが一緒に語られがちで、項目ごとに施行日も違うため、全体像がつかみにくくなっています。

この記事では、改正法の条文と厚生労働省の資料をもとに、何がいつから変わるのか、立場ごとの影響、今のうちに確認しておきたいことを整理しました。

現場で働く介護職の方やケアマネジャーの方に向けた内容です。

この記事でわかること

  • 2026年の改正法の正式名称と、項目ごとに異なる施行日
  • ケアマネの更新制の廃止がいつからで、研修がどう変わるか
  • 延長されたのは介護福祉士養成施設卒業者の経過措置で、実務者研修の要件は変わっていないこと
  • 有料老人ホームの登録制など職場への影響と、検討が続いている論点

2026年の介護保険法改正とは|成立日と施行日の全体像

2026年の改正は、介護保険法だけを改める法律ではありません。正式名称は社会福祉法等の一部を改正する法律(令和8年法律第51号)で、社会福祉法、介護保険法、社会福祉士及び介護福祉士法などをまとめて改正しています。施行は原則2027年4月1日ですが、項目によって開始時期が分かれています。

改正法の成り立ちと主な柱

法案は2026年4月3日に国会へ提出され、6月19日に参議院本会議で可決・成立し、6月25日に公布されました。社会保障審議会介護保険部会が2025年12月25日にまとめた意見を受けた内容です。介護保険がどんな財源とサービスで成り立っているかは、介護保険の仕組みの解説で確認できます。

項目ごとの施行日一覧

介護職に関わる主な項目と施行日は次の表のとおりです。施行日は改正法の附則第1条と、厚生労働省老健局などの公布通知(介護保険最新情報Vol.1518)によります。

改正項目 主に関わる人 施行日
介護福祉士養成施設卒業者の経過措置の見直し 養成校の卒業生・在学生 2026年6月25日(公布日)
特定地域サービスの創設、夜間対応型訪問介護の廃止 該当地域・サービスの職員 2027年4月1日
准介護福祉士の廃止、人材確保の協議会 介護職全般 2027年4月1日
ケアマネの更新制の廃止と研修の見直し ケアマネジャー 公布から1年6か月以内の政令で定める日
有料老人ホームの登録制 有料老人ホームの職員 公布から2年以内の政令で定める日
登録施設介護支援(入居者向けの新しい相談支援) ケアマネ、住宅型ホームの職員 公布から3年以内の政令で定める日

政令で定める日は2026年10月時点で示されておらず、表の期限までに始まることだけが決まっています。

ケアマネジャーに関わる改正|更新制の廃止と研修の見直し

ケアマネにとって大きいのは、5年ごとの更新制の廃止です。ただし資格そのものは残り、研修の受講もなくなりません。一方で、受験要件の見直しは改正法に含まれていません。変わること、続くこと、まだ決まっていないことを分けて押さえておきましょう。

更新制の廃止はいつから

現在の介護支援専門員証は有効期間が5年で、更新には32時間以上〜88時間以上の更新研修が必要です。この更新制の廃止は、公布から1年6か月を超えない範囲で政令が定める日に施行されるため、遅くとも2027年12月までに始まります。

施行の時点で持っている介護支援専門員証は、有効期間の定めがないものとして扱われます(改正法附則第16条)。施行までは今の更新制が続く点に注意が必要です。資格廃止の噂との違いはケアマネは廃止される?噂の真相で詳しく解説しています。

研修は続き、事業者にも義務がかかる

改正後も都道府県知事が行う研修の受講は求められます。正当な理由なく受けないと受講を命じられ、従わなければ1年以内の業務禁止もありえます。

あわせて、ケアマネを配置する事業者には、受講時間の確保など研修の受講機会を確保する措置が義務づけられます。分割受講やオンライン受講の推進も示されていますが、時間数などの詳細はこれから定められます。

受験要件の見直しは検討段階

受験要件については、介護保険部会が2025年12月の意見で、実務経験5年を3年に見直すことや、受験できる国家資格に公認心理師など5つを加えることを適当としました。受験要件は省令などで定めるもので、改正法には含まれていません。いつの試験から適用されるかは2026年10月時点で示されておらず、検討が続いています。受験資格の詳しい数え方はケアマネの受験資格と実務経験の数え方をご覧ください。

介護福祉士・資格に関わる改正

介護福祉士については、実務者研修の経過措置が延長されたと伝えられることがあります。条文を確認すると、延長されたのは養成施設を卒業した方向けの経過措置で、実務経験ルートの要件ではありません。准介護福祉士の廃止とあわせて、資格への影響を順に見ていきます。

養成施設卒業者の経過措置は2031年度卒業者まで延長

養成施設ルートでは、2017年度以降の卒業者に国家試験の合格が求められるようになりましたが、経過措置として、卒業後5年間は試験に合格しなくても介護福祉士になれる仕組みが設けられています。改正前は対象が2026年度の卒業者までで、2027年度以降の卒業者からは合格が必須になる予定でした。

改正法第12条は、平成19年の改正法附則第6条の2にある「令和9年3月31日」を「令和14年3月31日」に改め、対象を2031年度の卒業者まで延ばしました。施行は公布日の2026年6月25日です。一方で、卒業後5年間続けて介護の業務に従事すれば6年目以降も資格が続く仕組みは、2026年度までの卒業者に限られます。

卒業年度 卒業後5年間 6年目以降も資格が続く条件
2017〜2026年度 試験に合格しなくても介護福祉士 5年以内の合格、または5年間続けて介護業務に従事
2027〜2031年度 試験に合格しなくても介護福祉士 5年以内の合格のみ
2032年度以降 試験の合格が必要 ―

実務経験ルートの実務者研修要件は変わらない

改正法による社会福祉士及び介護福祉士法の改正(第11条)は、准介護福祉士に関する附則の削除などで、受験資格を定めた第40条第2項には手を入れていません。実務経験3年以上に加えて実務者研修の修了が必要という実務経験ルートの要件は、そのまま続きます。

試験の受け方や合格率は介護福祉士の試験ガイドに、研修の中身は実務者研修の解説にまとめています。

准介護福祉士の廃止と人材センターへの届出

2027年4月1日には准介護福祉士の資格が廃止されますが、すでに持っている方は引き続き保持できます。同じ日から、社会福祉法第95条の3の改正により、介護福祉士などの都道府県福祉人材センターへの届出が、離職時に限らず働いている間も努力義務の対象になります。

介護職の職場・働き方に関わる改正

職場に関わる改正は、施設の種類や地域によって影響が違います。勤め先が有料老人ホームか、夜間対応型訪問介護を行っているか、中山間・人口減少地域にあるかで、関係する項目を見分けてください。具体的な基準の多くは、これから政省令で定められます。

有料老人ホームの登録制と新しい相談支援

中重度の要介護者などを入居対象とする有料老人ホームに、都道府県などへの登録制が導入されます。厚生労働省は現存するホームの大半が対象になると想定しています。住宅型ホームでは、特定の介護サービス事業者の利用を入居の条件にすることの禁止など、囲い込みへの対策が盛り込まれました。

登録制の対象となる住宅型ホームの入居者には、ケアプラン作成と地域とのつながりの支援を行う登録施設介護支援が新設され、利用者負担は原則1割とされています。登録制は公布から2年以内、この相談支援は3年以内の政令で定める日に始まります。

特定地域サービスと配置基準の弾力化

中山間・人口減少地域では、特定地域サービスという特例の類型が設けられます。月単位の定額報酬を選べるほか、管理者や専門職、夜勤職員の要件の緩和などで人員配置基準を弾力化できるようにするものです。対象地域は国が客観的な基準で定めるとされ、全国一律で配置基準を緩める改正ではありません。

夜間対応型訪問介護の廃止

夜間対応型訪問介護は2027年4月1日に廃止され、定期巡回・随時対応型訪問介護看護に統合されます。施行時に事業を行っている事業者には、施行日から3年間は従来の規定が効力を持つ経過措置があります(附則第13条)。

人材確保と生産性向上の協議会

都道府県には、福祉人材確保の協議会を置く努力義務と、生産性向上や経営改善を進める協議会を置く義務が課されます。見守り機器などの介護テクノロジーの活用や事業所間の協働化が、協議会で扱う課題の例です。

介護職が今やっておくこと

改正の多くは事業者や自治体が対応するもので、介護職本人が手続きをする場面は限られます。ただしケアマネの証の有効期間や、養成校卒業者の受験時期のように、本人が動かないと困る項目もあります。自分で確認することと、職場の説明を待ってよいことを分けて考えましょう。

ケアマネは証の有効期間を確認

ケアマネの方は、介護支援専門員証の有効期間を確かめてください。更新制の廃止の施行より前に有効期間が切れる場合は、今の制度で更新研修を受ける必要があります。登録している都道府県の案内で日程を早めに確認しておきましょう。

養成校を卒業した方は受験の計画を

2027年度から2031年度に養成施設を卒業する方は、卒業後5年以内に国家試験に合格しないと資格を保てません。働きながら受験する年を早めに決めておくと安心です。

職場の説明を待ってよいこと

有料老人ホームの登録、特定地域サービスの選択、夜間対応型訪問介護からの移行は、事業者が手続きを進めます。基準の多くは今後の政省令で決まるため、職場の説明はその後になります。勤務体制への影響が気になる場合は管理者に確認してみてください。

2027年度報酬改定と検討中の論点

法律の改正と介護報酬の改定は、別の手続きで進みます。改正法は制度の枠組みを決め、サービスごとの単位数や加算の要件は報酬改定で決まります。給料に関わるのは主に報酬改定のほうです。利用者負担の見直しのように、改正法に入らず審議が続いている論点もあります。

法改正と報酬改定の違い

特定地域サービスの報酬などは、2027年度の介護報酬改定の議論で具体化していきます。改定率は2026年10月時点で決まっていません。報酬改定の流れは介護報酬改定の解説、給料への反映は処遇改善加算の仕組みと確認方法で解説しています。

2割負担の対象拡大や在宅のケアプラン有料化は検討中

2割負担の対象となる一定以上所得の基準は、介護保険部会の意見で第10期介護保険事業計画が始まる2027年度の前までに結論を得るとされ、2026年10月時点で検討が続いています。在宅の方のケアプラン有料化も改正法には含まれず、利用者負担が決まったのは登録制の有料老人ホームの入居者向けの相談支援だけです。要介護1・2の方への生活援助の扱いなども検討中です。

まとめ

2026年の改正は、社会福祉法等の一部を改正する法律(令和8年法律第51号)として6月25日に公布され、原則2027年4月1日から順に施行されます。介護職の方が押さえておきたい点は次の4つです。

  • ケアマネの更新制の廃止は遅くとも2027年12月までに施行され、研修の受講は続く
  • 延長されたのは介護福祉士養成施設卒業者の経過措置で、実務経験ルートの実務者研修の要件は変わらない
  • 有料老人ホームの登録制や夜間対応型訪問介護の廃止など、職場への影響は施設の種類や地域で異なる
  • 2割負担の対象拡大や在宅のケアプラン有料化は検討中で、決まっていない

まずは自分の資格と勤め先が表のどの項目に当たるかを確かめてみてください。

よくある質問

Q. 2026年の介護保険法改正はいつから施行されますか?

A. 原則は2027年4月1日です。ただし介護福祉士養成施設卒業者の経過措置の見直しは公布日の2026年6月25日に施行済みで、ケアマネの更新制の廃止は公布から1年6か月以内、有料老人ホームの登録制は2年以内の政令で定める日に始まります。

Q. ケアマネの更新研修はもう受けなくてよいですか?

A. 廃止が施行されるまでは今の更新制が続き、その前に有効期間が切れる方は更新研修を受けて更新する必要があります。施行後も都道府県知事が行う研修の受講は求められ、正当な理由なく受けないと受講命令や1年以内の業務禁止の対象になりえます。

Q. 実務者研修の経過措置が延長されたというのは本当ですか?

A. 改正法で延長されたのは、養成施設の卒業者が国家試験に合格しなくても卒業後5年間は介護福祉士になれる経過措置で、対象が2031年度の卒業者までに広がりました。実務経験ルートで実務者研修の修了が必要という要件は変わっていません。

Q. 在宅のケアプランは有料になりますか?

A. 2026年10月時点で、在宅の方のケアプラン作成を有料にすることは決まっていません。改正法で利用者負担を求めるとされたのは、登録制の対象となる有料老人ホームの入居者向けに新設される登録施設介護支援で、負担は原則1割です。

参考資料・出典

※制度の情報は2026年10月時点のものです。

この記事を書いた人

編集部

介護ワーカーズナビ編集部

介護職向け情報メディアの編集チーム

厚生労働省などの公的統計や制度資料をもとに記事を作成しています。数値には出典と年度を記載し、制度が変わったときに内容を見直しています。

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