介護職のボーナスは平均いくら?年間賞与と何か月分かを統計で確認

ボーナスの明細と電卓を見る介護職員
公開日 執筆 介護ワーカーズナビ編集部

冬の賞与が近づくと、自分の額は介護職として多いほうなのか少ないほうなのかが気になるものです。ところが記事によって平均額がまちまちで、どの数字と比べればよいのか迷う方もいるでしょう。食い違う主な理由は、もとになる調査と年度の違いです。この記事では、厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査をもとに、介護職の年間賞与、月給の何か月分にあたるか、経験年数や年齢による違いを同じ年度の数字でそろえ、賞与が出ない職場を求人票で見分ける方法までまとめました。今の賞与に納得できていない方や、転職を考え始めた方に向けた内容です。

この記事でわかること

  • 介護職の年間賞与の平均と、月給の何か月分にあたるか
  • 調査によってボーナスの数字が違う理由
  • 経験年数・年齢・勤め先の規模による賞与の違い
  • 処遇改善加算と賞与の関係、求人票の賞与欄の読み方

介護職のボーナスの平均は年約55万円

介護職員の年間賞与の平均は547,800円です。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査(企業規模10人以上の一般労働者)の数字で、一般労働者とは短時間労働者を除いた、通常の所定労働時間で働く人を指します。賃金構造基本統計調査の数字は、以下すべてこの条件です。

令和7年賃金構造基本統計調査の年間賞与

この調査では、6月分の給与と前年1年間の賞与を調べています。令和7年調査の年間賞与その他特別給与額は、原則として2024年1月から12月までに支払われた賞与や期末手当などの合計です。2026年6月の処遇改善加算の見直しは、まだ反映されていません。

職種名は介護職員(医療・福祉施設等)で、病院や介護施設などで働く介護職員が当てはまります。訪問介護のホームヘルパーは、訪問介護従事者として別に集計されています。

月給の何か月分にあたるか

年間賞与を所定内給与額で割ると、介護職員の賞与は月給の約2.1か月分です。所定内給与額は、6月分の給与から残業代や深夜勤務手当などを除いた額で、毎月決まって支払われる手当を含みます。

職種 所定内給与額(月) 年間賞与 何か月分か
介護職員(医療・福祉施設等) 262,900円 547,800円 約2.1か月
訪問介護従事者 267,300円 439,700円 約1.6か月
介護支援専門員(ケアマネジャー) 298,800円 704,200円 約2.4か月

何か月分かは、年間賞与÷所定内給与額で算出し、小数第2位を四捨五入しました。2025年6月分の給与と2024年分の賞与を組み合わせた目安です。求人票の「基本給の◯か月分」とは基準が違うため、そのまま比べないでください。

訪問介護従事者は月給が介護職員とほぼ同じですが、年間賞与は約11万円少なくなっています。介護職員を含むサービス職業従事者全体の年間賞与は458,400円で、介護職員はこれを上回ります。

調査によってボーナスの数字が違う理由

介護職の給料には、目的の違う公的な調査がいくつかあります。賞与の扱いや調査の時期がそれぞれ違うため、同じ年でも数字が一致しません。自分の賞与と比べるときは、どの調査の、どの定義の数字かを先に確かめておきましょう。

処遇状況等調査の338,200円には一時金が入っている

介護職員の平均給与額338,200円は、令和6年度介護従事者処遇状況等調査で、処遇改善加算を取得する事業所で月給・常勤として働く介護職員の、2024年9月時点の数字です。内訳は基本給192,660円、手当97,980円、一時金47,560円です。

一時金は、4〜9月に支給された賞与などを6で割った額です。夏の賞与をならした金額で、年間賞与とは計算の仕方が違います。この調査の平均給与額や資格別の数字は介護職の給料はいくら?平均年収と年収を上げる5つの方法で詳しく取り上げています。

3つの調査の違い

主な調査の違いを表にまとめました。対象となる事業所、調べた時点、賞与の数え方がそれぞれ異なります。

調査 対象・時点 賞与の扱い
賃金構造基本統計調査(厚生労働省) 主要産業の事業所の労働者(職種別の表は企業規模10人以上)、毎年6月分 前年1年間の賞与を年額で集計
介護従事者処遇状況等調査(厚生労働省) 処遇改善加算を取得する事業所、令和6年度は2024年9月 4〜9月の支給額の6分の1を月給に加算
介護労働実態調査(介護労働安定センター) 介護保険サービスの事業所と労働者、令和6年度は2024年10月 労働者調査の平均月収は賞与を除く

賃金構造基本統計調査には介護福祉士という区分がありません。資格別の給料は処遇状況等調査で比べられ、介護福祉士の平均給与額は350,050円です。詳しくは介護福祉士の給料はいくら?平均年収・手取り・施設別の違いを解説で解説しています。

経験年数・年齢・性別で見るボーナスの違い

賞与は経験とともに増える傾向がはっきり出ています。ここでも令和7年賃金構造基本統計調査の介護職員(医療・福祉施設等)の数字で、経験年数、年齢、性別の順に見ていきます。自分の経験年数の行と比べると、平均との差がつかみやすくなります。

経験年数別の年間賞与

この調査の経験年数は、今の会社での勤続年数ではなく、その職種の仕事に就いていた年数です。以前の勤め先で同じ職種として働いた期間も通算されます。

経験年数 所定内給与額(月) 年間賞与 何か月分か
0年 218,900円 55,400円 約0.3か月
1〜4年 239,600円 417,500円 約1.7か月
5〜9年 254,800円 524,600円 約2.1か月
10〜14年 268,300円 600,000円 約2.2か月
15年以上 286,800円 700,900円 約2.4か月

0年の賞与が少ないのは、雇われた日より前の賞与は集計に含まれず、賞与の算定期間に在籍した月数も短いためです。

年齢別の年間賞与

年齢別では、20〜24歳の310,200円から上がり、40〜44歳で644,100円、50〜54歳で640,400円と高くなります。60〜64歳は491,100円、65〜69歳は280,400円です。

男女別の年間賞与

男性は612,400円、女性は512,400円で、所定内給与額も男性280,200円、女性253,500円と差があります。月給の何か月分かで見ると、男性が約2.2か月、女性が約2.0か月です。

勤め先によって差が出る理由

同じ介護職員でも、勤め先によって賞与の額は変わります。公的な統計で確かめられるのは企業規模の違いで、施設の種類や法人の種類ごとの賞与額は公表されていません。ここでは、統計で分かることと、分からないことを分けて整理します。

企業規模別の年間賞与

令和7年賃金構造基本統計調査では、従業員1,000人以上の企業の介護職員が498,800円、100〜999人が600,100円、10〜99人が484,100円でした。大企業ほど多いとは限らず、中規模の企業が最も高い結果です。

施設や法人の種類による違い

社会福祉法人、医療法人、株式会社などの法人の種類や、特養、デイサービスといった施設の種類ごとの賞与額は、公的な統計では確かめられません。支給の回数や月数は法人の賃金規程で決まるため、法人により異なります。

手がかりになるのは、処遇改善の賃上げを賞与で行うかどうかです。令和6年度介護従事者処遇状況等調査で、賞与等の引き上げや新設で賃金改善をした事業所は、訪問介護で38.4%、通所介護で36.7%、特養で26.3%、老健で19.6%でした。

処遇改善加算とボーナスの関係

処遇改善加算は、介護職員などの賃金改善のために事業所へ支払われる介護報酬の上乗せです。職員への配分方法は事業所が決めるため、毎月の手当ではなく賞与に上乗せされることもあります。賞与の増減を考えるときは、加算の配分方法もあわせて確かめておきましょう。

加算が賞与で配分されることもある

令和6年度の調査では、賃金改善の方法として、ベースアップ等が59.8%、定期昇給が43.6%、賞与等の引き上げや新設が33.1%でした(複数回答)。一方で加算には、基本給など毎月の賃金で一定以上を配分するという要件もあります。

賞与で配分されている場合、毎月の給与明細には処遇改善の項目が出てきません。配分の方法は処遇改善加算とは?介護職の給料にいくら反映されるか仕組みと確認方法で確認できます。

2026年6月の期中改定

2026年6月には、3年に1度の改定を待たずに介護報酬の期中改定が行われました。改定率はプラス2.03%、うち処遇改善分がプラス1.95%で、加算の区分はⅠイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳの6つになり、対象は介護職員から介護従事者へ広がりました。賞与にどれだけ反映されるかは、事業所の配分方法によって変わります。

ボーナスが出ない・少ない職場の見分け方

賞与の有無や額は法人ごとの規程で決まるため、入職してから想定より少ないと気づくことがあります。確認する場所は、求人票の賞与欄と、就業規則や賃金規程の賞与の定めの2つです。見る項目を押さえておけば、応募の段階で見通しを立てやすくなります。

賞与は法律で義務づけられていない

賞与の支給は法律で義務づけられたものではありません。労働基準法第89条第4号では、常時10人以上を雇う事業場が臨時の賃金等の定めをする場合、就業規則に記載することとされています。賞与のある職場では、支給の時期や条件が就業規則や賃金規程に書かれているので、まずそこを確かめましょう。

求人票の賞与欄の読み方

ハローワークの求人票では、賞与制度の有無に加え、前年度の支給実績を年◯回、賞与月数◯か月分、または賞与金額◯円〜◯円の形で記載します。確認したいのは次の点です。

  • 制度があっても、前年度実績が「なし」になっていないか
  • 月数が、基本給と手当のどちらを基準にしているか
  • 金額の幅が広い場合、どの職員の実績か

月数の基準が基本給だけなら、手当の多い職場では、統計で計算した何か月分より実際の比率が低く見えることがあります。

面接や内定時に確認すること

就業規則で、算定の対象となる期間、支給日に在籍していることが条件か、査定の仕組みを確かめてください。パートや契約職員として働く場合は、賞与の対象になるかも確認が必要です。

転職を考えるときの確認ポイント

賞与が少ないことを理由に転職を考えるときは、賞与だけでなく年収全体で比べる必要があります。退職のタイミングや退職金の条件もあわせて確かめておくと、損をしにくくなります。比べる数字は、同じ調査・同じ定義のものにそろえましょう。

月給と賞与を合わせた年収で比べる

月給が高くて賞与がない職場と、月給は低めでも賞与がある職場では、年収が逆転することもあります。月給×12に年間賞与を加えた額で比べましょう。令和7年調査の介護職員なら、残業代を含む毎月の給与(きまって支給する現金給与額)277,700円×12に年間賞与を加えた約388万円です。処遇状況等調査から計算した年収とは調査が違うため一致しません。

賞与を受け取ってから退職する場合

賞与の支給後に退職するなら、支給日と在籍の条件を就業規則で確かめてから、退職を伝える日を決めましょう。時期の考え方は介護職の転職時期はいつがいい?求人が増える月と活動開始の目安、退職金の条件は介護職の退職金はいくら?相場・計算方法・もらえる条件を解説で整理しています。

まとめ

令和7年賃金構造基本統計調査では、介護職員の年間賞与は547,800円で、所定内給与額の約2.1か月分でした。経験年数とともに増え、15年以上では700,900円です。処遇状況等調査の338,200円は一時金の月割りを含む別の調査の数字なので、比べるときは定義を確かめてください。転職を考えるなら、求人票の前年度実績と年収全体で比べるのが近道です。

よくある質問

Q. 介護職1年目のボーナスはいくらですか?

A. 令和7年賃金構造基本統計調査では、経験1〜4年の介護職員の年間賞与は417,500円、経験0年は55,400円でした。0年が少ないのは、雇われる前の賞与は集計されず、賞与の算定期間に在籍した月数も短いためです。自分の職場の算定期間は就業規則で確認できます。

Q. 介護福祉士のボーナスの平均はいくらですか?

A. 賃金構造基本統計調査には介護福祉士の区分がないため、介護福祉士だけの年間賞与は公表されていません。令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、介護福祉士の平均給与額は350,050円で、4〜9月の賞与などを6で割った額を含みます。資格手当や賞与の基準は法人により異なります。

Q. パートの介護職にもボーナスは出ますか?

A. 法人の規程により、対象外の職場もあります。処遇改善加算はパートも配分の対象に含められますが、手当で支給するか賞与で支給するかは事業所が決めます。求人票の賞与欄と、雇用契約書や就業規則の賞与の定めを確かめてください。

Q. 介護職のボーナスはいつ支給されますか?

A. 支給の時期や回数は、法人の就業規則や賃金規程で決まります。介護職全体の支給月を示す公的な統計はありません。求人票の賞与欄で年◯回かを確認し、具体的な支給月や算定期間は面接や内定時に尋ねておくと、転職や退職の時期を決めやすくなります。

参考資料・出典

この記事を書いた人

編集部

介護ワーカーズナビ編集部

介護職向け情報メディアの編集チーム

厚生労働省などの公的統計や制度資料をもとに記事を作成しています。数値には出典と年度を記載し、制度が変わったときに内容を見直しています。

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