介護福祉士に落ちたら|パート合格の確認と不合格パートのみ受験の手順

介護福祉士試験の結果を見て次回に向けて計画を立てる介護職員
公開日 執筆 介護ワーカーズナビ編集部

仕事と勉強を両立して臨んだ介護福祉士の国家試験で不合格の通知を受け取ると、次に何をすればよいか迷うものです。第38回試験からはパート合格の制度が始まり、総得点で届かなくても、基準を満たしたパートは翌年と翌々年の受験が免除されます。ただし、次回の申し込みで選んだ受け方は後から変えられないため、結果通知の確認から順に進めることが大切です。この記事では、結果通知の見方、パート合格の仕組み、申込パートの選び方、勉強と働き方の立て直しを、社会福祉振興・試験センター(以下、試験センター)と厚生労働省の資料で整理しました。第38回で不合格だった方や、次の申し込みを控えた介護職の方に向けた内容です。

この記事でわかること

  • 落ちたあと最初に結果通知で確かめること
  • パート合格の仕組みと免除の有効期限
  • 次回の申し込みで不合格パートのみ受験を選ぶ手順と注意点
  • 不合格パートの勉強と、落ちた年の働き方の考え方

介護福祉士に落ちたら最初に確かめること

落ちたあとに最初にすることは、結果通知でパート別の結果を確かめることです。合格したパートがあれば、次回はそのパートを免除して不合格パートだけを受けられます。受け方は次回の申し込みのときに選ぶため、それまでに結果通知の内容を把握しておきましょう。

合格発表と結果通知が届く時期

合格発表では、試験センターのホームページに合格者の受験番号が載ります。第38回は2026年3月16日14時の発表で、受験者78,469人のうち54,987人が合格し、合格率は70.1%でした。2027年1月31日に実施される第39回は、3月23日14時に発表され、結果通知は3月26日に発送される予定です。届くまで10日間程度かかり、4月5日になっても届かない場合は試験センターに電話で問い合わせるよう案内されています。

結果通知は次回の申し込みまで保管する

結果通知には、総得点、科目群ごとの得点、パートごとの試験結果、受験免除の有効期限が記載されます。次回以降の申し込みでは、通知に書かれた受験番号やパート別の試験結果が必要になるため、大切に保管してください。合格したパートが分からなくなったときは、試験センター(03-3486-7521、平日9時30分〜17時)で確認できます。

結果通知の見方|総得点とパート別の結果

結果通知では、まず総得点による合否、次にパート別の結果を確認します。全パートを受けた場合は総得点で判定し、不合格だった人についてパートごとの判定が行われます。総得点で合格した人には、パート別の結果は記載されません。

総得点と無得点科目群の欄

第38回の合格基準は、125点満点で64点以上を取り、11の科目群すべてで得点があることでした。合格基準点は、総得点の60%程度を基準に問題の難易度で補正して決まります。総得点が合格基準点以上でも、無得点科目群の欄が「有」なら不合格です。その場合もパート別の判定は行われ、0点だった科目群は科目群別の得点欄に「*0点」と記載されます。

パート別の合格基準点(第38回)

パート別の合格基準点は、全パートを受けた受験者の各パートの平均得点の比率を使い、全体の合格基準点を按分した点数です。第38回の値は次のとおりでした。

パート 配点 第38回の合格基準点 パート合格に必要な得点
A 60点 32.23点 33点以上
B 45点 20.43点 21点以上
C 20点 11.33点 12点以上

基準点は小数点以下第2位まで示され、配点は1問1点なので、32.23点なら33点以上で基準を満たします。結果通知のパート別の欄には、自分の得点と基準点、配点が並びます。

無得点の科目群があるパートは不合格

パート合格にも、そのパートを構成する科目群すべてで得点していることが必要です。Bパートで基準点を超えていても、医療的ケアが0点ならBパートは不合格になります。

パート合格の仕組みと免除の有効期限

パート合格は、125問を三つのパートに分けて判定し、基準を満たしたパートの受験を一定期間免除する仕組みです。働きながら受験する人が仕事と学習を両立しやすいように、2025年度の第38回試験(2026年1月25日実施)から導入されました。

3つのパートと科目群

パートは11の科目群を三つにまとめたものです。出題数は、第38回の合格基準及び正答の資料から数えました。

パート 科目群(出題数) 合計
A 人間の尊厳と自立・介護の基本(12)、社会の理解(12)、人間関係とコミュニケーション・コミュニケーション技術(10)、生活支援技術(26) 60問
B こころとからだのしくみ(12)、発達と老化の理解(8)、認知症の理解(10)、障害の理解(10)、医療的ケア(5) 45問
C 介護過程(8)、総合問題(12) 20問

第38回のパート合格者は、Aが3,935人、Bが1,509人、Cが6,181人でした(一部重複)。

免除は合格した最終年の翌年・翌々年まで

パート合格の有効期限は、そのパートに合格した最終年から翌年・翌々年までの2年間です。第38回でAパートに合格した場合、第39回と第40回はAパートを免除して受験できます。期限内に残りのパートをすべてそろえ、登録の申請をすると介護福祉士になれます。

再びパート合格すると期限が延びる

全パートを受けて、すでに合格しているパートに再び合格すると、有効期限はその年から翌年・翌々年までに延びます。不合格パートのみを受けた場合は、免除中のパートを受けないため、その期限は延びません。制度の全体像は介護福祉士の試験ガイド|受験資格・合格率・パート合格制度を解説でも紹介しています。

次回の申し込み手順|不合格パートのみ受験の選び方

パート合格がある人は、次回の申し込みのときに全パートを受けるか、不合格パートのみを受けるかを選びます。第39回はこの選択ができる最初の試験で、申し込みは2026年9月2日で締め切られました。ここでは第39回の受験の手引をもとに、次の申し込みに向けた流れを確認します。

第39回はインターネットで7月から9月に受付

第39回の受付期間は2026年7月22日から9月2日までで、申し込みは試験センターのホームページから行いました。受験手数料はクレジットカード決済かコンビニエンスストア決済で支払い、期間内に支払いが終わらないと申し込みは無効になります。2026年11月時点で試験センターが案内しているのは第39回までのため、第40回の日程は今後の発表を確認してください。

申込パートを選べる人と変更できない点

申込パートを選べるのは、パート合格の有効期限内のパートがある人だけです。初めて受験する人、合格したパートがなかった人、前回の受験が第37回以前の人は、全パートでの申し込みになります。選んだパートは申し込み後に変更できないため、送信前に結果通知と照らし合わせましょう。

不合格パートの一部だけは受けられない

不合格パートのみを選んだ場合、不合格だったパートはすべて受ける必要があります。Aに合格してBとCが不合格だった人は、BだけやCだけの受験はできず、BとCの両方を受けます。

証明書の再提出・手数料・試験時間

過去の試験で実務経験証明書や実務者研修修了証明書を提出していれば、再提出は不要です。受験の手引には、提出済みであることを申し出る「証明書提出済申出書」の様式が載っているため、提出書類の一覧で確かめましょう。受験手数料は、全パートでも不合格パートのみでも同じ20,510円でした(第39回)。

試験時間は受けるパートで変わり、第39回ではAパートが午前の10時00分〜11時45分、Bパートが午後の13時40分〜14時55分、Cパートが13時40分〜14時20分です。BとCを両方受ける場合は13時40分〜15時35分に続けて受けます。受験票は2026年12月11日に発送されました。

全パートか不合格パートのみか|判断の目安

どちらを選ぶかは、合否の判定方法の違いと免除の期限を見比べて決めます。不合格パートのみはパートごと、全パートはまず総得点で判定されるため、得点の傾向や勉強に使える時間によって向き不向きがあります。申し込み後は変えられないので、結果通知の得点を見ながら考えましょう。

不合格パートのみはパートごとに判定

不合格パートのみを受けると、受けたパートそれぞれが基準点以上で、科目群すべてで得点していれば合格です。範囲を絞れる一方、ほかのパートの得点で補うことはできず、20問しかないCパートは数問の差で結果が変わります。

全パートを選ぶ意味

全パートを選ぶと、総得点が合格基準点以上で11科目群すべてに得点があれば、パート別の結果にかかわらず合格です。総得点で届かなくてもパート別の判定が行われ、今回合格したパートと有効期限内の合格パートで全パートがそろえば合格になります。合格済みのパートに再び合格すれば期限も延びますが、勉強の範囲は全体に戻ります。なお、特定技能1号やEPA介護福祉士候補者として受験する人は、在留に関する措置の条件から全パート受験を選ぶ必要があると、試験センターが案内しています。

免除の期限から逆算する

第38回で合格したパートの免除は、第39回で再びそのパートに合格しない限り、第40回で終わります。第39回で残りのパートがそろわなかった場合、第40回が期限内にそろえる最後の機会です。第40回でもそろわなければ、第38回の合格パートは失効し、そのパートも受け直すことになります。

不合格パートの勉強の立て直し

立て直しの出発点は、結果通知の科目群別の得点です。どの科目群で何点足りなかったか、0点の科目群がなかったかを確かめてから計画を立てると、限られた時間を使いやすくなります。不合格パートのみを受ける場合は、範囲をそのパートの科目群に絞れます。

科目群別の得点から弱点を探す

結果通知には、科目群ごと、科目ごとの得点が記載されます。得点の割合が低い科目群と0点だった科目群を書き出し、優先順位をつけましょう。

出題数の少ない科目群を落とさない

第38回の正答表では、医療的ケアが5問、発達と老化の理解と介護過程が各8問でした。出題数が少ない科目群は数問の取りこぼしで0点になり、パートごと不合格になります。苦手な科目群でも、数問は確実に取れるところまで仕上げておきましょう。

過去問は試験センターのサイトで確認

試験センターのホームページでは、第38回の試験問題と合格基準・正答が公開されています。働きながらの勉強時間の作り方は、介護福祉士の試験ガイドの勉強法の章にまとめています。

落ちた年の働き方と相談先

不合格でも、実務経験と実務者研修の修了という受験資格は残り、受験できる回数にも制限はありません。落ちた年をどう働くかは、給料への影響を勤務先の規程で確かめ、今の立場でできることを整理すると考えやすくなります。

給料への影響は勤務先の規程で確認

令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、月給・常勤の介護職員の平均給与額が、介護福祉士で350,050円、実務者研修修了者で327,260円でした。資格手当の有無や金額は法人の給与規程で決まるため、合格後にいくら変わるかは就業規則で確かめましょう。詳しくは介護福祉士の給料はいくら?平均月収・年収・手取りと施設別の違いと処遇改善加算とは?介護職の給料にいくら反映されるか仕組みと確認方法で解説しています。

実務者研修修了者としてできること

実務者研修を修了していれば、訪問介護のサービス提供責任者になる要件を満たします。詳しくは実務者研修とは|費用・期間・カリキュラムと取得メリットを解説をご覧ください。介護福祉士の先にある資格は介護の資格一覧と取る順番で確認できます。

気持ちが沈むときの相談先

一人で抱え込まず、職場の上司や同僚に話すほか、厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」の電話相談、SNS相談、メール相談も利用できます。

まとめ

介護福祉士に落ちたら、まず結果通知で総得点、科目群別の得点、パート別の結果と免除の期限を確かめます。

  • パート合格したパートは、合格した最終年の翌年・翌々年まで受験が免除される
  • 次回の申し込みで全パートか不合格パートのみかを選び、申し込み後は変更できない
  • 不合格パートの一部だけを受けることはできない
  • 第38回の合格パートは、再び合格しない限り第40回で期限が切れる

次回の案内が出たら、結果通知を手元に置いて申込パートを選びましょう。

よくある質問

Q. パート合格は何回まで使えますか?

A. 回数ではなく期限で決まります。パートに合格した最終年から翌年・翌々年の2年間が有効期限です。全パートを受けて同じパートに再び合格すると、その年から数え直しになります。

Q. 翌年に受験しなかったらパート合格はどうなりますか?

A. 翌年に受けなくても、翌々年までは有効です。第38回で合格したパートなら、第39回を受けなくても第40回で免除を使えます。ただし、第40回で残りのパートがそろわなければ失効します。

Q. 再受験で実務経験証明書をもう一度出す必要はありますか?

A. 過去の試験で確定した実務経験証明書や実務者研修修了証明書を提出していれば、再提出は不要です。受験票の受験資格欄に「見込」と記載されていた人は、期限までに確定した証明書を出していないと試験が無効になるため、提出したかを確認しておきましょう。

Q. 合格基準点は毎年変わりますか?

A. 変わります。総得点の60%程度を基準に、問題の難易度で補正して決まるためです。試験センターの発表では、第36回が67点、第37回が70点、第38回が64点でした。パート別の基準点も回ごとに算出されます。

Q. 第37回以前に落ちた人もパート合格の対象ですか?

A. 第37回以前の試験はパート合格の導入前のため、その結果で免除は受けられません。前回の受験が第37回以前の人は全パートで申し込み、その回からパート別の判定を受けます。

参考資料・出典

数値と日程は2026年11月時点の公表資料で確認しています。

この記事を書いた人

編集部

介護ワーカーズナビ編集部

介護職向け情報メディアの編集チーム

厚生労働省などの公的統計や制度資料をもとに記事を作成しています。数値には出典と年度を記載し、制度が変わったときに内容を見直しています。

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