50代で介護職への転職を考えるときや、同年代の同僚と比べるとき、自分の給料が年齢相応なのか気になる方は多いでしょう。ところが年齢別の平均は調査によって定義が違い、未経験で入る場合の比べ方も分かりにくいところです。この記事では、令和7年度介護労働実態調査と令和7年賃金構造基本統計調査で20代から60代後半までの月収・時給・年収をそろえ、50代未経験は勤続年数で見たほうがよい理由と、定年後の制度までまとめました。40〜60代で介護職を考えている方や、定年後も続けたい方に向けた内容です。
この記事でわかること
- 介護労働者の年齢別の平均月収・平均時給と、介護職員の年齢別の年収の目安
- 50代未経験の給料を年齢ではなく勤続年数・経験年数で見る理由
- 60代・定年後の雇用と給料に関わる法律と制度
介護職の給料は年齢による差が小さい
介護職の平均月収は30代半ばから50代までほぼ横ばいで、年齢で大きく変わるのは20代と60代以降です。同年代の平均と比べる前に、全体の傾向と、同じ年代の中で給料に差がつく要因を先に押さえておきましょう。
50代の月収は40代とほぼ同じ
介護労働安定センターの令和7年度介護労働実態調査では、月給で働く人の平均月収は40〜44歳で257,605円、50〜54歳で259,185円でした。差は月2,000円に届かず、50代で給料が下がる形にはなっていません。
差がつくのは勤続年数・資格・夜勤
同じ年代の中で給料を分けるのは、勤続年数、保有資格、夜勤の回数などです。厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、月給・常勤の介護職員の平均給与額が勤続1年の298,760円から10年以上の359,040円まで約6万円開いています。
年齢別の月給(介護労働実態調査)
介護保険サービスの事業所で月給制で働く人の、年齢別の平均月収を見ます。介護労働実態調査は2025年10月1日時点の状況を調べ、2026年7月に公表されました。平均月収に何が含まれ、誰の数字なのかも確認しましょう。
20代から70代前半までの平均月収
令和7年度介護労働実態調査の概要にある年齢階層別の平均月収で、月給制で働く介護労働者12,758人の回答をもとにしています。職種は分かれていません。
| 年齢 | 平均月収 |
|---|---|
| 20〜24歳 | 211,714円 |
| 25〜29歳 | 241,940円 |
| 30〜34歳 | 253,609円 |
| 35〜39歳 | 256,125円 |
| 40〜44歳 | 257,605円 |
| 45〜49歳 | 260,400円 |
| 50〜54歳 | 259,185円 |
| 55〜59歳 | 260,992円 |
| 60〜64歳 | 252,820円 |
| 65〜69歳 | 241,390円 |
| 70〜74歳 | 236,527円 |
20代前半から30代前半にかけて約4万円上がった後は26万円前後で推移し、最も高いのは55〜59歳の260,992円です。20歳未満と75歳以上は回答者が少なく、概要には載っていません。
平均月収の定義と注意点
この調査の平均月収は、賞与・残業代・休日出勤手当を除き、交通費など毎月決まって支払われる手当を含めた税込みの額です。
また、年齢別の表は看護職員やケアマネジャーなどを含む介護労働者全体の数字です。職種別の平均月収は介護職員が239,855円で全体の254,951円より低いため、介護職員は表の値より1万円強低めに見ておくのが現実的です。
年齢別の時給(パート・非常勤)
時給で働く人の平均は、月給よりも年齢による差が小さくなります。令和7年度介護労働実態調査の平均時給は1,321円で、前年度より4.7%上がりました。最も高い40〜44歳と最も低い65〜69歳の差も100円に届きません。
年齢別の平均時給
同じ調査の資料編にある年齢別の平均時給で、月給の表と同じく職種を分けない介護労働者全体の数字です。
| 年齢 | 平均時給 | 年齢 | 平均時給 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 1,238円 | 50〜54歳 | 1,342円 |
| 25〜29歳 | 1,330円 | 55〜59歳 | 1,332円 |
| 30〜34歳 | 1,343円 | 60〜64歳 | 1,298円 |
| 35〜39歳 | 1,328円 | 65〜69歳 | 1,260円 |
| 40〜44歳 | 1,358円 | 70〜74歳 | 1,299円 |
| 45〜49歳 | 1,353円 | 75歳以上 | 1,279円 |
介護職員の時給は全体より低い
職種別では介護職員が1,203円、訪問介護員が1,339円でした。令和7年度の地域別最低賃金は全国加重平均1,121円で、2025年10月以降に順次発効しました。時給は最低賃金の改定で毎年変わるため、地域の求人票で確かめてください。待遇の違いは介護職のパートと正社員の違いで比べています。
賃金構造基本統計調査で見る年齢別の年収
介護労働実態調査の年齢別の数字は賞与を含まず、職種も分かれていません。介護職員に絞った年収の目安は、厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査で確かめます。対象と時点が違うため、2つの調査の数字は混ぜずに読んでください。
別の調査を使う理由
賃金構造基本統計調査は、常用労働者10人以上の事業所を対象に、2025年6月分の給与と2024年1年間の賞与を調べた国の統計です。ここでは短時間労働者を除く介護職員(医療・福祉施設等)の数字を使います。月給にあたるきまって支給する現金給与額には、残業代や深夜の割増分も含まれます。
介護職員の年齢別の月給・賞与・年収
男女計の値です。年収の目安は月給の12か月分に年間賞与を足した額で、千円単位の公表値から計算しました。
| 年齢 | 月給(きまって支給する現金給与額) | 年間賞与 | 年収の目安 | 平均勤続年数 |
|---|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 237,700円 | 310,200円 | 約316万円 | 2.1年 |
| 25〜29歳 | 259,300円 | 464,300円 | 約358万円 | 4.2年 |
| 30〜34歳 | 275,900円 | 531,200円 | 約384万円 | 6.8年 |
| 35〜39歳 | 293,100円 | 626,300円 | 約414万円 | 9.3年 |
| 40〜44歳 | 291,500円 | 644,100円 | 約414万円 | 10.3年 |
| 45〜49歳 | 293,200円 | 620,300円 | 約414万円 | 10.3年 |
| 50〜54歳 | 293,600円 | 640,400円 | 約416万円 | 10.5年 |
| 55〜59歳 | 281,200円 | 568,500円 | 約394万円 | 10.2年 |
| 60〜64歳 | 264,100円 | 491,100円 | 約366万円 | 11.2年 |
| 65〜69歳 | 238,800円 | 280,400円 | 約315万円 | 12.1年 |
| 年齢計 | 277,700円 | 547,800円 | 約388万円 | 9.0年 |
35歳から54歳までは年収の目安が約414〜416万円でほぼ同じで、55歳以降は月給と賞与がともに下がります。35歳以降の平均勤続年数が10年前後でほとんど伸びていない点も特徴です。男女別の数字は男性介護士の給料・年収で取り上げています。
50代未経験の給料は年齢ではなく勤続年数で決まる
年齢別の平均には、同じ年代で10年以上働いてきた人も含まれています。50代で未経験から入るなら、比べる相手は年齢が同じ人ではなく、経験や勤続年数が同じくらいの人です。2つの調査で、経験0年と勤続1年の水準を確かめます。
経験年数0年からのスタート
賃金構造基本統計調査の経験年数は、その職種に就いていた通算の年数で、以前の勤め先での経験も含みます。介護職員の所定内給与額は、月給から残業代や深夜手当などを除いた額で、経験年数別では次のとおりです。
| 経験年数 | 所定内給与額 | 年間賞与 |
|---|---|---|
| 0年 | 218,900円 | 55,400円 |
| 1〜4年 | 239,600円 | 417,500円 |
| 5〜9年 | 254,800円 | 524,600円 |
| 10〜14年 | 268,300円 | 600,000円 |
| 15年以上 | 286,800円 | 700,900円 |
50〜54歳全体の所定内給与額275,400円と比べると、経験0年は約5.6万円低い水準です。0年の賞与が少ないのは、賞与の算定期間に在籍した月数が短いためです。
勤続年数別の平均給与額
処遇状況等調査では、同じ法人での勤続年数別の平均給与額が公表されています。処遇改善加算を取得している事業所の、月給・常勤の介護職員の令和6年9月時点の数字です。
| 勤続年数 | 平均給与額 | 平均年齢 |
|---|---|---|
| 1年 | 298,760円 | 40.4歳 |
| 2年 | 309,630円 | 40.5歳 |
| 3年 | 316,080円 | 42.2歳 |
| 4年 | 322,370円 | 42.7歳 |
| 5〜9年 | 335,640円 | 45.3歳 |
| 10年以上 | 359,040円 | 48.9歳 |
| 全体 | 338,200円 | 45.7歳 |
平均給与額は基本給と手当に、4〜9月に支給された一時金の6分の1を加えた額です。勤続1年の平均年齢は40.4歳で、40代での入職が珍しくないことも分かります。調査全体の数字は介護職の給料はいくら?で解説しています。
資格と処遇改善加算で差がつく
同じ調査の保有資格別では、資格なしが290,620円、介護職員初任者研修の修了者が324,830円、介護福祉士が350,050円でした。有資格者ほど勤続年数も長い点に注意してください。詳しくは介護福祉士の給料で整理しています。
処遇改善加算の区分や配分の方法は事業所ごとに違い、2026年6月の期中改定では対象が介護職員から介護従事者へ広がりました。仕組みは処遇改善加算とは、転職の進め方は40代・50代から介護職に転職が参考になります。
60代・定年後の働き方と給料
60代以降は、定年や再雇用、年金との関係で給料の形が変わります。ここでは法律と制度の枠組みだけを整理します。実際の条件は法人の就業規則で決まり、給付や年金の額は人によって違うため、ハローワークや年金事務所で確認してください。
65歳までの雇用確保と70歳までの努力義務
高年齢者雇用安定法の第8条では、定年を定める場合は60歳を下回れません。第9条は、65歳未満の定年を定める事業主に、定年の引上げ、継続雇用制度の導入、定年の廃止のいずれかを義務づけています。第10条の2では、70歳までの就業機会の確保が努力義務とされ、70歳まで働ける制度の有無は法人によって違います。
再雇用で給料が変わるときの制度
定年後の継続雇用では有期の契約に切り替わり、給料の決め方が見直されることも少なくありません。介護労働実態調査でも、有期雇用の介護職員の平均月収は228,268円で、無期雇用の241,944円より低めでした。収入に関わる主な制度は2つです。
高年齢雇用継続給付は、60歳以上65歳未満の雇用保険の被保険者で、賃金が60歳時点の75%未満に下がった場合に受けられる給付です。60歳に達した日が2025年4月1日以降の人は、支給率の上限が賃金の15%から10%に縮小されました。
在職老齢年金は、厚生年金に加入して働きながら老齢厚生年金を受け取る仕組みで、賃金と年金の合計が支給停止調整額を超えると、超えた額の半分が止まります。令和8年度の調整額は65万円です。
定年時の退職金の扱いは法人ごとに違い、仕組みは介護職の退職金はいくら?で確認できます。
短時間勤務で続ける選択
65〜69歳の平均時給は1,260円、70〜74歳は1,299円でした。時給制に切り替え、勤務日数や時間を調整して続ける方法もあります。社会保険の加入条件は2026年10月に賃金要件がなくなっており、扶養との関係は先に紹介したパートと正社員の記事で整理しています。
年齢に関係なく給料を上げる方法
介護職の給料は、年を重ねるだけでは大きく変わりません。左右するのは夜勤の回数、保有資格、職種や役職、勤め先の選び方です。50代・60代から入っても検討できるものを、公的な調査の数字とあわせて整理します。
夜勤に入る
日本医療労働組合連合会の2025年介護施設夜勤実態調査では、正規職員の介護職員の夜勤手当は2交代で1回平均5,973円でした。回数は施設の体制で決まるため、働き方の希望と合わせて検討しましょう。詳しくは介護職の夜勤手当で解説しています。
資格を取り、職種を広げる
介護福祉士と資格なしの平均給与額の差は月59,430円です。経験を積んだ後は生活相談員やケアマネジャーへ進む道もあり、令和6年9月時点の平均給与額は生活相談員・支援相談員が353,950円、介護支援専門員が375,410円でした。要件は生活相談員とはとケアマネの受験資格で確認できます。
求人票で確認すること
応募前に次の項目を求人票と面接で確かめておくと、入職後の給料の見通しが立てやすくなります。
- 基本給と手当の内訳、資格手当の有無
- 処遇改善加算の区分と支給方法(毎月の手当か賞与か)
- 賞与の前年度実績と、1年目の支給の扱い
- 夜勤の回数と1回あたりの手当
- 定年と再雇用の上限年齢、資格取得支援の有無
50代・60代は、何歳まで働けるかを先に確認しましょう。
まとめ
介護職の給料は年齢による差が小さく、介護職員の年収の目安は35〜54歳で約414〜416万円とそろい、55歳以降に下がり始めます。年齢別の平均を見るときは、次の4点を押さえておくと読み違えが減ります。
- 年齢別の平均は、賞与を含むか、介護職員だけの数字かを確かめて読む
- 50代未経験の給料は年齢ではなく、経験年数と勤続年数の表で見通す
- 60代以降は再雇用の規程と、高年齢雇用継続給付・在職老齢年金を確認する
- 給料を上げる要素は夜勤、資格、職種や役職で、年齢に関係なく取り組める
まずは気になる求人票で、手当の内訳と定年・再雇用の上限年齢を確かめるところから始めてください。
よくある質問
Q. 介護職の50代の平均給料はいくらですか?
A. 令和7年度介護労働実態調査では、月給で働く人の平均月収は50〜54歳で259,185円、55〜59歳で260,992円でした。賞与と残業代を除き、看護職員なども含む数字です。介護職員に絞った令和7年賃金構造基本統計調査では、50〜54歳の年収の目安は約416万円です。
Q. 50代未経験で介護職に就くと給料はいくらから?
A. 同年代の平均より低いところから始まり、経験年数と勤続年数に応じて上がります。令和7年賃金構造基本統計調査では、経験0年の介護職員の所定内給与額は218,900円でした。令和6年度の処遇状況等調査では、勤続1年の平均給与額は298,760円です。
Q. 60代でも介護職で働けますか?給料は下がりますか?
A. 令和7年度介護労働実態調査では、平均月収は60〜64歳で252,820円と50代より下がり、65〜69歳の平均時給は1,260円でした。高年齢者雇用安定法では65歳までの雇用確保が義務、70歳までの就業確保が努力義務です。条件は法人の再雇用の規程で確認してください。
Q. 年齢が上がれば介護職の給料は上がりますか?
A. 年齢だけで上がる仕組みにはなっていません。差がつくのは勤続年数、資格、夜勤、役職などで、令和6年度の処遇状況等調査では勤続1年と10年以上で月60,280円、資格なしと介護福祉士で月59,430円の差がありました。
参考資料・出典
- 令和7年度「介護労働実態調査」結果の概要について(介護労働安定センター、2026年7月29日。図表4-1-1) https://www.kaigo-center.or.jp/report/jittai/
- 令和7年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書(介護労働安定センター、2026年7月。資料編 表20-2-1・表20-5-1) https://www.kaigo-center.or.jp/report/jittai/
- 令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 第5表 職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(厚生労働省、2026年) https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040421120&fileKind=4
- 令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 第14表 職種(小分類)、性、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(厚生労働省、2026年) https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040421129&fileKind=4
- 賃金構造基本統計調査による介護職員の賃金について(厚生労働省、2026年) https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001685519.pdf
- 賃金構造基本統計調査 主な用語の説明(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/chingin_yougo.pdf
- 令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要(厚生労働省、2025年。統計表第86表) https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/dl/r06gaiyou.pdf
- 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律 第8条・第9条・第10条の2(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/346AC0000000068
- 令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160564_00043.html
- 在職老齢年金(日本年金機構、2026年4月1日更新) https://www.nenkin.go.jp/service/yougo/sagyo/zaishokurorei.html
- 令和7年度最低賃金額答申(厚生労働省、2025年9月5日) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63030.html
- 2025年介護施設夜勤実態調査結果~報告集~(日本医療労働組合連合会、2026年3月) https://irouren.or.jp/research/2f4e72b66c0cced0b97d1d532a3929318192c380.pdf














